[解説]
白鳥や蝶、孔雀など生き物のモチーフを得意とする、かなり奇抜でエッジィなデザインのブランドです。白鳥のモチーフをあしらったドレスを、女優のビョーク(Bjork)がカンヌ映画祭の受賞式で着て話題になりました。マラヤン・ジョジョヴ・ペジョスキー氏は2001年春夏ロンドンコレクションでデビューしたばかりですが、ショッキングとすら言えるような踏み込みの深いアプローチで注目されています。
2005年春夏ではウエッジソール風のトングサンダルがおもしろい。裸の子供がヒールに彫り込まれていたり、真っ青なスフィンクスの彫刻があしらわれていたり。ちょっとグロテスクなところがありますが、「キモかわいい」感じでインパクト十分です。
ミッキーマウスやドナルド・ダックのキャラクターを使ったデザインは近年の流行ですが、ペジョスキー流はもう少しひねくれています。ミッキーマウスは耳が取れていて、下半身にエロティックな仕掛けが施されています。エロティックな演出は近年、ペジョスキー氏のフェイバリットテイストのようです。
スカル(どくろ)や骸骨(がいこつ)のモチーフがお得意です。熊をモチーフにしたドレスやトランプ柄のTシャツにも人気があります。
手の込んだ仕上げを好みます。かぎ針編みはペジョスキーの代名詞ともなっています。ビーズやスパンコールといった、派手なマテリアルも多用されています。
●ブランドデータ
[本国]
英国(ロンドン)
[経営・日本での展開]
日本ではセレクトショップで展開されている。早くからセレクトショップ「WR(ダブル・アール、東京・代官山)」が置いていた。「WR」のディレクターとして知られた福田春美氏は東京コレクション参加のブランド「トリプティック」のデザイナーになっている。
「トリプティック」は金沢スエ氏がデザイナー、福田氏がディレクターという形で2003年にスタートしたが、2004年秋冬からは金沢氏が新ブランドを立ち上げたのに伴い、福田氏単独のブランドとなった。
福田氏はワールド系のセレクトショップ「アクアガール」の初代店長を経て独立した。セレクトし買う側から、デザインする側に回ったという点では、ロンドンのセレクトショップのバイヤー経験を持つマラヤン・ジョジョヴ・ペジョスキー(Marjan Djodjov Pejoski)氏と通じる。
[歴史]
マラヤン・ジョジョヴ・ペジョスキー氏は1969年、マケドニア(当時のユーゴスラビア)生まれ。83年に英国へ。それぞれ別の学校でジュエリー制作、靴デザイン、ファッション画を学んだ。さらに、99年、ロンドンのファッションの名門校、セントラル・セント・マーティンズ美術学校で学び、卒業制作がファッション界で高く評価された。
2001年春夏ロンドンコレクションでデビュー。アイスランド出身の歌手・女優、ビョークがカンヌ映画祭や米アカデミー賞の授賞式で着た、白鳥モチーフのドレスで一躍、注目を浴びた。パリコレにも参加している。
ロンドンのソーホー地区にあるセレクトショップ「Kokon To Zai(古今東西)」でバイヤーを務めていた。「Kokon To Zai」はパリにもある。
[現在のデザイナー]
マラヤン・ジョジョヴ・ペジョスキー氏
[キーワード]
エロティック、グロテスク、白鳥、ビョーク
[魅力、特徴] 動物や人を大胆に配したデザインが得意。かなり目立つし、時にぎょっとする絵柄もあります。パンチのきいた演出をしたいときに向いていそうです。
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